身内に「あなたは中学校から私学なんて本当に親に感謝ね」とよく言われる。もちろん感謝はしているし、今振り返ってみてもあの時の小学生の決断をよくぞ本気で応援してくれたなと思う。しかし、そのようなことを言われるのはきっと自分が入学前と卒業後の進路が大きく変わり、大きく周りの人間の期待を裏切ってしまったからであろう。「なぜ中学受験をしたのだ」と改めて当時の胸中を語らされる場面さえ用意されてしまうこともある。あの時間が本当に嫌なのだが、「あの頃は勉強を頑張りたいと思っていた」と他の理由と共に正直に言っている。そこに自分のプライドが何もないから言えるのだろうと思う。
そこで「何のために中学受験をしたのか」と問われることがあるため、自分も中学受験をしてよかったのかと冷静に考えることが増えた。確かに、中学受験をしたいと思ったあの時とやりたいこともなりたい自分というのも変わってしまったのだが、自分は時間がかかったが今はそれでいいと思っているし、中学受験をしてよかったことはもちろんある。
ズバリ「一生の仲間」と出会えたことだ。「そんなことか」と言われてしまうかもしれないが、自分は友だちのことだけは自信があるし誇りである。中学受験をしていなければ絶対に出会ていない人たちなのである。楽しいことも嬉しいことももちろんあったが、みんながみんなどこかへ向かって努力を続けていて、必ず応援をしてくれるような心の底から他人のことを思いやれる仲間であった。本当に自分は未熟で仲間たちにたくさん助けてもらったし、ここまで生きてこれたと言っても過言ではない。いつかのブログで書いた記憶があるのだが、中学校・高校で出会った友だちは財産なのだ。
小学生の頃に描いた中学受験をした目的を果たすことはできなかったのだが、思いもよらぬ大事なものを得ることができた。みんなのおかげで「人間性の大事な部分」を理解し、学ばなければいけないと思うようになった。そして、それが今に生きている。どんな職業に就こうがどんなになりたい自分がいようが、外せないのが人間性でそれを学ばせてもらえて、今教員を目指す立場でも変わらず大事にできているつもりであるためみんなに感謝をしたい。でも、勉強も全く自分からはやらなかったが、ある程度の学力はつけさせてもらえた。それについても感謝したい。結論、中学受験をしてよかったと今思えている。中学校・高校での思い出がなければこうは思えていないかもしれない。しかし、たくさんの貴重な体験をさせてもらえ今でも一瞬一瞬が脳裏にこびりついているためこう思えている。自分で言うのもなんだが、小学生の頃の自分の選択は間違っていないかった。
