その辺にいる社会人3年生(24)

社会人2年目のブログです。

小さなコミュニティの中で

 現在「二月の勝者ー絶対合格の教室ー」という毎週土曜日放送中のドラマに釘付けである。自分が中学受験の経験があることから毎週楽しみにしている。何週前の放送かは忘れたが、昔の自分が描かれている回があり都会の競争率に比べると大したことのない中学受験でも通ずるものがあったと感じている。

 

 そのフィーチャーされていた1人の女子児童は自信満々で塾内でトップクラスの成績を残し、塾講師からも期待されているような子どもである。両親ともに医者で経済力には申し分のない家庭に育っていた。母親に「もういい加減やめなさい」と止められるほどに夜遅くまで勉強をし、努力を惜しまず負けず嫌いな児童であった。しかし、そこで終わっていればいいもののその児童は自身より成績が悪い児童を見下し子分のように扱っていたのだ。そんなある日「もっとレベルの高い塾で勉強をしたい」と言い始め、転塾をするもレベルの高さに圧倒されまたこのドラマの舞台となっている塾へ戻ってきた。その後は、友だち付き合いも積極的にやるようになり競争心をなくさないまま以前よりかはゆとりを持って勉強に励めるようになったという話だった。

 

 自分の家は父が教員をやっており公務員で母は専業主婦であったため全くお金持ちとはかけ離れた家庭だった。そして、転塾を経験したことはないためその辺はドラマの話とは違っていたがそれ以外ほとんど同じであった。転塾はしていないが、レベルの高い学習を求めて私立中学への進学を決めたのは事実である。しかし、この女子児童と同じように自分も天狗の鼻をポッキリと折られてしまうこととなる。それまでは、小学校でよくある大きな白いテストではほとんど100点で100点でないと凹むほどの成績を残すことができ、塾でも「中学受験コース」に入れていることが自信となり、自己肯定感を上げる材料にもなっていた。「何でこんな簡単な問題が解けないのか」と周りの友だちのことも見下していた。学校の授業についていけないような子どもが通う塾があったが、自分は中学受験に対応している塾に通わせてもらっていたため、それすらも見下していた。当時の考え方は最低だった。このドラマの女子児童のように勉強が全てだったのだ。「勉強を頑張ればみんなと違うことができる」「親も塾の先生も喜んでくれる」と必死だった。勉強をすることは大事なことだが、縛られすぎていたのだろうと今では思うのである。そして、田舎の小さなコミュニティで1位の成績を取ったり、周りから称賛されるような成績を残したりできている状況から少し都会へ私立中学校で勉強に励む状況へ変わったことが自分の転機となった。「自分はこんなにも通用しないのか」と思い知らされた。

 

 たとえ小さなコミュニティの中でチヤホヤされる存在であっても、少し大きなコミュニティへ行けば自分なんて埋もれてしまう存在なのだと学ぶことができた。小さなコミュニティでは自分のことが全て理解することが難しい。小さなコミュニティでしかいられないのなら、謙虚な姿勢でいることが大事なのだろうと思う。