その辺にいる社会人3年生(24)

社会人2年目のブログです。

何も言わず共に

 皆さんこんにちは。今日のテーマは昨日予告していた通り「何も言わず共に」です。お時間許す方は最後までお付き合いください。よろしくお願い致します。

 

 中学受験をして合格できたらソフトボール部に入部すると早々と決めていました。同級生は自分と同じようにソフトボール部に決めていた子と他の部とまだ迷っている2人でした。この3人で6年間頑張ろうと自分の中で決意しました。しかし、中学3年生の冬に部活はソフトボール部に入ると決めていた子が突然辞めてしまいました。3人でたまにぶつかることもあったり逆にそこそこ仲良かったりいろんなことがありました。でも、1人が辞めてしまい「これから2人で頑張るしかない」とすぐに2人で話したのを覚えています。それからその子は自分の相棒となり、同級生は増えも減りもしませんでした。でも、自分はそれがとても良かったのです。自分はピッチャーをやっていて辞めてしまった子とバッテリーを組んでいたので、急にキャッチャーがいなくなり頭が真っ白になりました。しかし、自分の中では相棒にキャッチャーをしてもらうという考えはありませんでした。この先はキャプテンとして10番を背負ってショートで自分の後ろで守って欲しいと思っていました。彼女はその思いも分かってくれました。

 

 自分たちの学年は人数が2人だったけど、1つ上の学年は7人と多かったので先輩たちと一緒にずっと試合に出ていました。しかし、先輩たちが引退して自分たちが引っ張っていかなければならない1年がもちろんありました。自分たちはずっと先輩たちについていっているだけで5年間過ごしてきたので、後輩との接し方や引っ張っていき方が本当に分からなくて、先輩たちと共に引退しようかという話を彼女としました。ずっと2人で悩んで顧問にも先輩にも相談しましたが、反対をされて「あと1年踏ん張ろう」ということで高校3年生の5月末に引退をしたわけですが、何かあるとこのように2人で話し合ってきました。いつも部活帰りも趣味の話もしましたが、ほとんどがその日の部活の話でした。意志主張が全く激しくない彼女は絶対に自分のことを否定したり、悪く言ったりすることはなくいつも励ましてくれました。ピッチャーとしてダメダメだった自分のことを1度たりとも責めたことはありません。高校2年生の5月末から高校3年生の5月末まで1人でピッチャーをさせてもらっていました。入部した中学1年生の頃、「志望ポジションは?」と顧問に聞かれ「ピッチャー志望です」と答えました。ピッチャーに憧れてずっとソフトボールをしてきました。なので、絶対にピッチャーは辞めたくなかったです。「自分たちの代だしワガママだけど1人で投げさせてもらいたい」と思っていました。ピッチャーがいなかったということもありますが、自分はもし他にピッチャーがいたとしても自分が投げたいという思いがあったと思います。しかし、先輩ピッチャーに任せっきりだったのが先輩が引退して突然自分に降りかかった責任に押しつぶされて、ピッチャーとして機能しなくなっていました。毎日100球投げるノルマを作り、練習試合をしても良い時と悪い時があり、引退に近づくにつれ自分のフォームもどれが自分に合っているのか分からなくなり、最後の引退試合は悲惨なものでした。今思えば「自分が抑えなきゃどうにもならない」「三振を取らなければ」と勝手に焦り追い込み自滅していた試合ばかりでした。その過程を1番傍で見てくれていた彼女は本当にただ励ましてくれるだけでした。「私にはできないことだから…投げてくれてありがとう」「試合を潰してしまうとか考えずに投げたいように投げれば良いよ」ともったいないくらいの言葉ばかりをくれていました。その言葉が逆に辛かったし本当にソフトボールのセンスがあった彼女なので、「強豪校でもそのセンスは通用するから絶対に別の学校でソフトボールをやった方が良い」と提案しましたが、「〇〇の後ろで守ることに意味がある」と言ってくれたのでその思いに本当に応えたい一心で毎日毎日投げ込みましたが、最終結果があの最悪な引退試合だったので未だに申し訳ない気持ちでいっぱいです。こんな状態なので、当然後輩のことを考える余裕もなく彼女にチームのことは任せっきりでピッチャーのことだけを考えさせてもらっていました。

 

 彼女の口から文句や愚痴を一切聞いたことがありません。「何でそんなピッチングしかできないの?」「もう一緒にやるの辞める」と言われても全然おかしくない状況でした。でも、ずっと何も言わず共に歩んできてくれました。6年間長いようで短かったですが、彼女なしではどうなっていたか分かりません。「どんなソフトボール人生を歩んでいたのだろう…」と今も思うほどです。はっきり言って自分と同じチームでソフトボールをやることに絶対にメリットも魅力もありません。それにも関わらず、最後まで共に歩んでくれたこと、本当に感謝しています。「投げたいように投げれば良い」。この言葉は本当に感動して今も大切な言葉です。寛大で謙虚で人間として大きい彼女が相棒で良かったです。読んでいただきありがとうございました。次回のテーマは「縁の下の力持ち」を予定しております。ではまた次回。