その辺にいる社会人2年生(24)

社会人2年目のブログです。

出会ってくれた生徒のみんな②

 先月教育実習でお世話になった学校では、とても恵まれていると思うことが多かった。その多さに日々驚きの連続であった。心穏やかに2週間を過ごせたのも、指導教官や配属クラスの生徒たちのおかげに違いない。そんな自分と出会ってくれた生徒のみんなとの思い出を残すという意味でも、このブログに書いておきたいと思う。

 

 自分が配属されたクラスは高等部3年生。一般校同様、18歳の生徒たちであった。自分が配属されたクラスのみんなと出会ったのは、教育実習開始の約2週間前のオリエンテーションの日であった。オリエンテーションの日程を決める際に実習校の教育実習担当の先生から直々にお電話をいただいたのだが、そこで配属クラスを発表されなかったため、自分としては少し落ち着かない状況だった。自分は小学校の先生になるための免許を持っていない。だから、小学部に配属になったらどうすればいいのかと例えばこのようなことを考えていたのだ。そして、配属クラスを発表されたのはオリエンテーション当日。「高等部の3年生に入ってもらいます」と言われた。正直、一般校では受験があるため教育実習生高校3年生のクラスには配属されないと思い込んでいたため、とても新鮮な感じがしていた。と同時に「自分なんかが高校3年生のクラスに入ってしまっていいのか」と不安になったのも事実だ。その後すぐに、配属されたクラスに案内され授業後の様子を見に行かせてもらった。何も分からない状況でとりあえず様子を見に行くのは緊張した。指導教官に声をかけてもらったが、生徒たちは誰だろうと思ってこちらを見ていた。生徒はたったの5人しかおらず、最も驚いたのはどこに障がいがあるのか分からないことだった。それほど健常者との差が見当たらなかった。そして、もう1つ驚いたことが就職を目指しているクラスであったということである。自分なんて18歳で働くことなんて考えずに、大学へ行くことしか選択肢になかった。頭が下がる思いだった。そこで、また「就職に向けて勉学に励むクラスに自分は邪魔ではないのだろうか」という思いが過ぎった。とにかく大丈夫なのかと考えた。

 

 それから約2週間の時が過ぎ、いよいよこの生徒5人との生活が始まった。6月の教育実習では中学校.高等学校の免許を取得するための教育実習だったため、配属クラスの生徒と接することができるのは、生徒たちの授業を参観した時や朝終礼、掃除の時間しかない。放課後は生徒それぞれが部活動へ向かうため、話す時間はあまり取ることができない。だから、先月の教育実習では思いのほか生徒たちと関わる時間が多く、嬉しかったという感想がある。昼ご飯は給食だったため、HR教室で一緒に時間を過ごすことができる。給食の配膳時間も生徒とワイワイ話しながらとても楽しい時間だった。

 

 「特別支援学校で学ぶ高等部3年生、18歳とはどのような感じなのだろう」と教育実習が始まる前から思っていた。しかし、就職を目指すようなクラスであるからかもしれないが、一般校で学ぶ高校3年生とあまり変わらなかった。アニメが好きで、アイドルが好きで、宿題が嫌いでといったようにあまり違いは感じられなかった。生徒とは2日目くらいから和気あいあいとした雰囲気で談笑できるようになった。とても嬉しかった。朝、HR教室に入ると「おはようございます!」と元気に挨拶をしてくれて、とても気持ちがよかった。「このクラスに受け入れてもらえている」と実感していくことができて嬉しかった。転校生ってこんな気分なのかもしれないとも思っていた。教壇に立って自分が話し始めると真剣なまなざしで話を聞いてくれて、大きな返事をしてくれる。一般校の生徒より素直だと感じられ、自分自身も優しい気持ちになれた。移動教室があれば、「一緒に行きましょう!」と言ってくれたし、休み時間には話しかけてくれてとても幸せな時間だった。クラスは担任のカラーが出ると昔から思っているが、その通りだと思った。指導教官が大切にしていることを生徒たちも理解し、それを大切にしている様子がたった2週間だが、一緒にいて分かった。やる時はやるし、クラスメイトを大事にしているし、おもしろいことはクラスメイトみんなで笑い合う姿が、いいクラスだと感じられた。

 

 約2週間だったけれど、たくさん話すことができた。毎日楽しそうにしている、それぞれで何かを頑張っている姿に自分も元気をもらっていた。毎日生徒たちに会えるのが楽しかった。6月の教育実習も辛いことが多かったが、他の実習生と何より配属クラスの生徒たちの存在で何とか乗り越えることができた。生徒の存在の大きさをより分かった2週間となった。そして、お別れの日には素敵な色紙をもらった。1人ずつ一生懸命メッセージを書いてくれていた。本当に嬉しかった。生徒たちにとっては何にもできなかったけど、「このクラスに入ることができてよかった」と心の底から思った。バス通学がほとんどの中で、数少ない自力通学が5人中4人だったため生徒を毎日迎えて送るということを経験しなかったが、話が尽きず玄関まで送って行ってしまうことも何度もあった。「また明日」と言えなかった最終日は寂しさを感じたが、卒業後のそれぞれの進路をずっと応援していると心の中でつぶやいた。貴重な経験をさせてくれてありがとう。みんなの今後に幸あれ。